
バデーニ「もし仮に我々は生まれながらに罪だけじゃなく 自由も持ってるとしたらどうします? もし仮に 今従っていること 信じているもの 見ている現実 その多くが嘘だったらどうします?」
ヨレンタ「そんなのありえない 常識的に考えて。」
バデーニ「ええ 常識の中では では 馬鹿げた仮説の中なら?」
「そこじゃ神は宇宙に階級など作っていない 強いられた不幸を耐える根拠などない。」
「ええ その通り 不適切です 我々は正しい方向になど 導かない 目指すのはただ一つ 真理 だ。」
ピャスト「今我々人類は プトレマイオスの宇宙を受け入れている 実際それでも日常的には大した問題はない だが大衆は納得しようと 我々だけは真理の探求を諦めてはならん あれは 真理とは思えない 異教徒の神話にイカロスというものがいる 蝋の翼で太陽を目指し 墜落したものだ 彼の誤りは太陽に挑んだ傲慢さではない 蝋が溶けるという父の警告を軽んじた無知にある 我々は蝋でダメなら鋼の翼を作り 太陽という名の真理へ挑み続ける 今 あと一歩足りていないのはその無謀さだ 真の宇宙を完成させるため イカロスにならねば。」
ピャスト「悪魔が取り付くのは女性が多いという論文を読んだことがある それに聖書には 女は黙って学ぶべきで教えるべきではないと取れる箇所もある だとしたら女性は元来 議論や研究発表は向いてないとも言える。」
ヨレンタ「それは本当に真理なのでしょうか。」
ピャスト「聖書は真理だ だが 今の我々に正しい読み方ができているかは分からない。」
ピャスト「私の人生をかけた研究が 間違いだと主張するものだぞ。」
バデーニ「ええ ですが真理かもしれません それを求めて 人生を捧げたのでしょう?」
教授「さてひとつ聞かせたまえ 君は 学術発展にあたって何が重要だと思う?」
ピャスト「無謀さです 慎重さを要する研究という分野においてこそ その1歩目は大胆に踏み出すべきです。」
教授「優れた道具は優れた能力の人間に使われるべきだ 早速 明日から 観測を始めろ いいか 神が君に与えた才能を出し惜しむな 思う存分天文をやれ そして君を否定した 節穴どもに分からせてやれ 君が夜空を眺めれば 歴史が変わると 君こそが一族の誇りであると。」