
異端審問官「神を殺すのが目的か?」
シュミット「違う 君らが神を殺しているのだ 僭越ながら お答えさせていただこう 審問官 その1 私は神を信じている その2 私の目的は人民に汚された神を復活させること その3 そのため当面は 教会正統派を弱体化させるべく努めている まあ君も承知だろうが ここ最近 教会正統派の権威は揺らぎ続けている 私だけでなく 時代は変革を求めているのだよ。」
異端審問官「その一言一句に ヘドが出るよ 異端者が。」
シュミット「君の言う異端者とは 教会の信者らが正統派ではないもののことかな? 私はそれとも違う派閥を問わず 全ての教会の教えを否定しているからね それどころか 私はどの宗教も等しく信じていない いずれ全ての宗教を廃絶したい。」
異端審問官「ほざきやがって… では 貴様は何者だ!」
シュミット「自然主義者かな。」
異端審問官「自然主義者?」
シュミット「私は神が宿りしものをあがめる 人の作ったものには興味がない だから 君らが作った組織も教えも 救済も必要ない 人工の神などもってのほかだ 神は理性の外 自然にこそ宿る。」
異端審問官「それで自然主義者というわけか 自分は正しいと盲信しているようだな きさまのその勘違いを根拠に何人死んだと思ってる!」
シュミット「勘違いか 私が最も嫌悪する言葉だ ところで君らは聖書の解釈違いで何人殺した 自分らの正しさを妄信して。」
異端審問官「もう十分だ いくら強がろうと 貴様はこうして捕まった 自分の運命を呪え!」
シュミット「運命を呪うという発想は 信心の浅さから来るのだよ審問官 私の神は絶対だ わが運命はすでに神にとって最適なように決められている 私は君らのように神に祈り 答えてもらおうなどとは思っていない いかなる運命であろうと 快く受け入れる 私は常に優位なのだ。」
シュミット「人が作った 不純な枠組みは 徹底的に破壊し 神の秩序である大自然の中でつつましく生きる それが生き物である人間にふさわしいというものだ。」
異端者「それでは 知性のない獣と一緒だ!」
シュミット「そこだよ! そもそも 人は獣とさして変わらん 知性を適切に扱う実力などないのだ 半端な知性からは勘違いが生まれ 勘違いからは悲劇が生まれる 自然な悲劇は受け入れるが 人が引き起こす不自然な悲劇はあってはならない。」
弟「俺たち教わったよな 金持ちが天国へ行くのは ラクダが針の穴を通るより難しい 勤勉に謙虚に質素に生きろ それで救われるって その教えを信じて 俺らは教会税を払ってる で 当のやつらはどうだ 俺たちに清貧を解くくせに 俺らの税金でたらふく食って 酒場じゃ飲んだくれてくだまいて しまいにゃ 貧民の子を金で買ってるって 兄貴 教えてくれ 何で教会に豪華絢爛な装飾が必要なんだ 何で信者に上下の階級が必要なんだ 何で俺らはこの現状に黙って従わなきゃいけねえんだ。」