雑記帳

えんとつ町のプペル

2025-01-19 18:47:32
2025-01-19 18:49:34
目次

ブルーノ「外の世界にはあるかもしれねえな 上を見ろ あの煙の切れ間から星が顔を出したとしても ほんの一瞬だ その一瞬を逃してしまうと見ることができねえ 星を見るにはな その一瞬を逃さねえように誰よりも長い時間ずーと上を見続けなきゃいけねえんだ 信じ続けなきゃいけねえんだ 下を向いてちゃあ 母ちゃんの病気が治るチャンスを逃すかもしれねえぞ 他の誰も見てなくてもいい 黒い煙のその先に お前が光を信じたのなら 行動しろ 思い知れ 常識に屈するな 信じ抜くんだ たとえ一人になっても たとえ一人になっても信じて上を見続けていたらよ その時お前と一緒に上を見てくれる同士が現れる 友達だ。」

ブルーノ「煙突町は煙突だらけ そこかしこから煙が上がり 頭の上はもっくもく 黒い煙 でもっくもく 朝から晩までもっくもく 煙突町に住む人は黒い煙に閉じ込められて 青い空を 知りゃあしない 輝く星を知りゃあしない 見上げることを捨てた街で 1人の男が上を見た 街を覆った黒い煙に男が思いを馳せたのは 酒場で出会ったおしゃべりモグラが聞かせてくれた夢物語 煙の向こうの世界の話 光り輝く世界の話 ありゃあしないと思ったが全くないとも言い切れない なぜなら 誰も行っていない 答えは誰も持っていない それから男は日ごと夜ごと煙の向こうの世界の話を何度も何度も叫んだが バカだバカだとはやされて ほら吹き者だと切り捨てられた 男が一体何をした 男が誰を傷つけた そこに理由はありゃしない 見上げることを捨てた街では 目立たぬようにの大合唱 見上げることを捨てた街では 夢を語れば 笑われて行動すれば 叩かれる 黒い煙は街を飲み込み 一縷の光も許さない 黒い煙は人を飲み込み あらゆる勇気を認めない それでも男は声を上げ 震える膝をひた隠し 船に乗り込み 海に出た 暗くて怖い海に出た 誰もいない海に出た 誰もいない海に出た 煙の向こうの世界の話 光り輝く世界の話 ありやしないと思ったが全くないとも言い切れない なぜなら誰も行っていない 答えは誰も持っていない 己の眼で見る前に答えを出してなるものか 煙に飲まれてなるものか 一波越えて二波越えて 嵐に襲われ不安に襲われ 帰る港もありゃしねえ 頼る仲間もいやしねえ 気がつきゃ船底穴ぼこだらけ 漕ぐ手を止めると沈んでしまう 浮くのがやっとのオンボロ舟 ずいぶん前から進んじゃいない ここで終わってなるものか ここで終わってなるものか ここで終わってなるものか 男は勇気を振り絞り 積み荷の紐を振りほどき できない理由海に捨て 言い訳御託を海に捨て ほんのわずかな食料と確かな覚悟だけを残し 再び波に立ち向かう。」

ブルーノ「馬鹿野郎 下を見るから揺れるんだ 上を見ろ。」

ブルーノ「男が向かうは闇夜の向こうのその向こう ただの一人で ただひたすらに船を漕ぎ 信じ 信じて信じ抜き 進んで 進んで 進んだ船は黒い煙を突き破り 光の海に躍り出た 何と見事な景色だろう 何とまばゆい光だろう この未来の産声を 果てしなく続く世界を 感動を 今まさに変わらんとする時代を 独り占めしてなるものか 町のみんなに伝えよう 町のみんなに伝えよう 煙突町は煙突だらけ そこかしこから煙が上がり 頭の上はもっくもく 黒い煙でもっくもく 朝から晩までもっくもく しかし 煙突町の煙の上には青い空があったのだ 輝く星があったのだ。」

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ろく